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マイクロスコープレビュー

2017/06/18(日)
今回のブログは、専門的な内容です。
 当院にマイクロスコープを導入して一年が経ちました。ここで実際に使用してのインプレッションを綴ります。マイクロスコープを臨床に取り入れている先生はまだ少なく、わたし自身ネットでの情報収集が主でした。これからマイクロスコープに取り組んでみようと思われている先生方の少しでも参考にしていただけたらと思います。
 わたしは1972生まれ44歳。歯科医師免許を取得して20年になります。卒後大学の補綴科に13年在籍し、父の歯科医院を継承したのが7年前です。ルーペを用いた拡大治療は20代の大学時代から続けています。
 初めて購入した拡大鏡はサージテル(2倍)です。そこから3倍、LEDライト追加、6倍とステップアップして現在のマイクロスコープ(カールツァイスOPMI pico with MORA interface LED バリオスコープ)へと至りました。2倍から徐々にステップアップしていった理由は「もっとよく見たい」という衝動に駆られたのと、単純に「お金に余裕ができた」からであります。そして機種を変える度に感動がありました。 わたしの場合、3台のルーペを症例によって使い分けるということはなく、必然と過去の物は無用の長物化しています。 ただマイクロとルーペは併用し6倍のサージテル(ライト付き)はまだ現役です。これから拡大鏡を買おうとされている先生へ、低倍率は取っ付きやすいですが、慣れてしまうともっと高倍率のものが欲しくなります。古いものは使わなくなるのでいきなり6倍位でも良いと思います。それ以上の倍率は重量を考えるとマイクロの領域と考えます。
 誰もが懸念される、「マイクロスコープを使いこなすまでの労力」ですが、導入前のリサーチでは「数ヶ月、診療後に毎夜練習してやっと使えるようになった」「何年たっても未だに慣れない」とのリポートもありました。相当な覚悟で臨んだのですが、デモ機を使用してみての感想は、「すごい!何これ!いつまでも見ていられる」「あれ?難しくないぞ、意外に簡単じゃない?」というものでした。そしてあとは機種選びに時間を費やすこととなりました。わたしの場合、1週間程でほとんどの治療に使えるようになりましたが、これは想定外の幸運でした。おそらく、拡大鏡を長年愛用しており、拡大下での処置に慣れていたのと、ミラーを使い、患者さんの口を覗き込むような姿勢をなるべくしないように心がけていたことが大きいと思います。
 マイクロスコープですが、各社から様々な機種、仕様がラインナップされており、高額な買い物で失敗は許されず非常に悩むところです。レンズの性能は価格ほどの差はないと思います。廉価品でも結構綺麗に見えます。顕微鏡を移動させるアームはかなりの差があります。いかにスムーズに見たい部位に合わせられるか、そして合わせた場所でピタッと静止するか、これは結構重要なポイントです。そして「設置スペースはあるのか」、「設置できても介助者の邪魔にはならないか」などショールームでは、判断できませんので、デモ機を借りスタッフの意見も参考にすることをお勧めします。わたしの場合は、上記の通りカールツァイスpico MORAとなりましたが、最後までライカのM320 F12と悩みに悩みました。決め手は首振り機能をいかし、「上顎でも直視ができる」という点です。しかし、設置スペースに問題があり、今の環境では難しく、新たにマイクロ専用のユニットを増設することになり、かなりの出費になってしまいました。
 マイクロのメリットは「よく見える」だけではありません。鮮明な動画や静止画を記録し患者さんに見せることができます。わたしたちが毎日、当たり前のように見ているものでも、患者さんにとってはかなりインパクトがあるようです。治療のライブ映像は、研修医や実習生の教育にも最適です。そしてもう一点、隠れたメリット、それは、術者の姿勢の改善です。水平位で治療する場合、ミラーテクニックを駆使しても、頭を屈まなければなりません。マイクロを使用すれば、真っ直ぐ前を向いたまま治療ができるので、腰椎、頚椎に負担がかからず、かなり楽です。マイクロ診療は疲れるとのイメージがあるようですが、わたしの場合は、裸眼やルーペを使っての治療よりも、マイクロ治療の方が快適です。全てのユニットにマイクロを設置できればストレスフリーです。
 1日の診療の中でマイクロの稼働率は、医院よって差があるようです。例えばエンドや自費治療にしか使用しない医院であれば診療時間の1割あるかどうかというところでしょう。マイクロに特化した自費専門の医院では、一日中稼働しているでしょう。物の適正価格は、それが生涯どれだけ使われるかが加味されます。せっかくの高い買い物ですので、フル活用しなければもったいないですよね。当院では、わたしの担当する患者さんは義歯と暴れる子供、一部の外科処置以外は、保険、自費問わず基本全てマイクロを使用しています。ただし、フロアタイプでもユニット間の移動は難しく、1台に半固定となるため、他のユニットでの治療は、しかたなく拡大鏡を使うというケースも多いです。また、勤務医は、わたしがたった1台のマイクロを独占しているため、使用する機会がなく、いつまでたっても慣れることはできません。そこで採算性は度外視してでも、もう一台のマイクロを設置するに至りました。
 複数のマイクロを設置する場合、全く同じ機種、仕様にした方が良いと思います。視認性や使い勝手が少しでも違うと違和感を感じるからです。使い慣れた道具は、頭で考えなくとも体に染み付くものです。しかしpico MORAを追加するには、保険診療中心の当院では完全に予算オーバーであったのと、スペースの問題から、2台目は少しお値打ちの前述ライカ M320 F12をチョイスしました。pico MORAは他機種にない優れた首振り機能を有していますが、ミラーテクニックを駆使すれば活躍する機会は少ないです。それもM320でよしとした理由です。レンズはさすがのライカでカールツァイスと遜色ありませんがアームの稼働性は劣ります。診療ポジションも微妙に変わります。しかしLED、映像機能が標準装備でコストパフォーマンスは最高だと思います。これで、ユニットの縛りなくマイクロが使えるのでサージテルの出番は益々減りました。
 治療時間ですが、形成や充填、他諸々の処置もマイクロを使っても裸眼とは変わりません(もちろん慣れてしまえばです)。マイクロを導入しても1日に診療できる患者数が減ってしまうことはありません。ただし、エンド治療は治療時間が長くなる傾向にあります。これは裸眼では見落としていた根管や感染物質が見えてしまうため、行う作業が増えてしまうからです。幸いにも保険に顕微鏡加算が認められたのは大きいですし正当な評価だと思います。エンド治療は、マイクロ臨床の中でも手技的には簡単な部類に入りますが、有効性は非常に高く一度体験してしまうとおそらく裸眼には戻れないと思います。わたしは専門が補綴ですので以前は根管治療が苦手で嫌いでしたが、今は真逆です。
 マイクロでの歯科治療を自費にするかどうかですが、これは各々の医院の理念や環境の違いがあるのでなんとも言えません。わたしは、自費に縛られ、マイクロを使えないジレンマに陥るのは避けたかったので保険治療が主です。「1日8人限定、自費のみ」なんてスタイルも魅力ですが、長く通っていただいている患者さんのことを考えると非現実的です。
 最後に。わたしは、裸眼での治療を否定するつもりは全くありません。マイクロやルーペを使わずとも神業的な治療をされる先生をたくさん知っています。しかしマイクロの世界は本当に感動的で、これを知らずして歯科医師人生を終えてしまうのはもったいないとも思うのです。このブログをご覧になり、興味を持たれる先生が一人でも増えると嬉しいです。
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